富田社会保険労務士事務所

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同一労働同一賃金の説明義務

 働き方改革関連法による「同一労働同一賃金」の規定において、いわゆる「正社員」と「パートタイマー、有期契約社員、派遣社員」の間の待遇の相違について、「パートタイマー、有期契約社員、派遣社員」の方々から説明を求められたら、説明しなければならないとする規定が設けられました。
 この説明義務に関する事項について、2018年12月28日に指針が公示されています。


同一労働同一賃金の規定の概要

 【同一労働同一賃金】の規定は、大きく、次の2つのものから構成されています。

【同一労働同一賃金の規定】

①「正社員」と「パートタイマー、有期契約社員、派遣社員」の間の、待遇の相違は役割や仕事内容に応じてリーズナブルな相違でなければならない
(もし、正社員と同じ扱いをするなら、同じ待遇でなければならない)

②「パートタイマー、有期契約社員、派遣社員」の方々から、待遇の相違について説明を求められたら説明しなければならない

 会社に対して、「リーズナブルな待遇差にしておくこと」と「説明ができるようにしておくこと」が求められることになります。


指針について

 上記の2つの事項について、2018年12月28日に、それぞれ指針が公示されています。

⇒このうち、「リーズナブルな待遇差」に関する指針(同一労働同一賃金ガイドライン)については、別のページにまとめてありますので、どうぞそちらをご覧ください。

【同一労働同一賃金ガイドラインの解説はこちら!】

 ここでは、パートタイム労働者や有期雇用労働者について「待遇の相違の内容及び理由の説明」に関する指針で示された事項の中から、【説明義務】に関する事項をまとめました。比較の対象となる労働者はだれか?説明すべき待遇の相違の内容や理由はどういったものか、説明の方法はどうすればよいか?といった事項です。

比較の対象となる労働者

 正社員のうち、その職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲等が、パートタイム労働者や有期雇用労働者の職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲等に最も近いと会社が判断する者を比較対象とします。この比較対象者との、待遇の相違の内容や理由を説明することになります。

説明すべき〔待遇の相違の内容〕

 会社は、待遇の相違の内容として次の事項を説明する必要があります。

【説明すべき待遇の相違の内容】

①比較対象となる正社員との間の待遇に関する基準(賃金表など)の相違の有無
②比較対象となる正社員とパートタイム労働者や有期雇用労働者の待遇の個別具体的な内容、待遇に関する基準(賃金表など)

説明すべき〔待遇の相違の理由〕

 会社は、待遇の相違の理由として次の事項を説明する必要があります。

【説明すべき待遇の相違の理由】

 比較対象となる正社員とパートタイム労働者や有期雇用労働者の、①職務の内容、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情(成果、能力、経験など)のうち、個々の待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものに基づいて、待遇の相違の理由を説明します。

説明方法

 「会社は、パートタイム労働者や有期雇用労働者が説明内容を理解することができるよう、資料(就業規則や賃金表など)を活用しながら口頭で説明すること」が基本とされました。
 ただし、説明すべき事項を全て記載した資料で、パートタイム労働者や有期雇用労働者が容易に理解できるものを用いる場合には、その資料を交付する等の方法でも差し支えないとされています。

【説明方法】

資料(就業規則や賃金表など)を活用しながら口頭で説明すること
※説明すべき事項を全て記載した資料で、容易に理解できるものを交付する等の方法でもOK


派遣労働者について

 派遣労働者については、原則として、「派遣先の会社の正社員」を比較対象として、「待遇の相違の内容や理由」を説明します(派遣会社で労使協定を結んだ場合は特例的な取扱いがされますが、その内容についてはここでは割愛させていただきます)。


同一労働同一賃金の施行時期

 同一労働同一賃金の規定は2020年4月(中小企業に係るパートタイマー、有期契約者に関する規定は2021年4月)から施行されています。中小企業も対応する必要があります。




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