富田社会保険労務士事務所

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テレワークの労働時間管理など

 新型コロナ対策を契機として、『テレワーク』の形態で働くことが多くなってきましたネ。きっとご自身あるいは身近な方などでテレワークをしている方々が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
 このテレワークをするときの一番大きな課題は、労働時間の管理です。どう労働時間をカウントしたらいいのか、途中に仕事をしていない時間があったらどうしたらいいのか、などなど、しっかり管理しようと思えば思うほど、どうしたらいいのかわからなくなっていく…ということもあるかと思います。

 このテレワークの労働時間の管理についても、当然、労働基準法などの労働関連の法令に基づいて行うのですが、あわせて、一般に『テレワーク ガイドライン』と呼ばれているものが厚生労働省から発出されており、具体的な管理については、このガイドラインに沿った形にしておくことで、労使間の不要なトラブルを回避し、スムーズに運営することができるようになります。

 この『テレワーク ガイドライン』が令和3年3月25日付で改定され、より現実に即した管理ができるようになりました。「労働時間の自己申告を認める」ことや、「中抜けの厳格な管理までは求めないでもよいこと」などが示されています。このページに『テレワーク ガイドライン』の概要などをまとめました。

 この新たなガイドラインの内容であれば、より多くの企業でテレワークを導入することができるようになると思います。まだテレワークを始めていない企業や始めているけどちゃんとした規程は作成していない企業などの皆様も、ぜひ、この機会に社内にテレワークの制度を設けたり、整備されることを検討されてはいかがでしょうか。
⇒導入時の助成金などもありますよ!

※『テレワーク』には、在宅勤務のみならず、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務、ワーケーションも含みます。

【テレワーク ガイドライン の全文はこちら!】

実施できる労働時間制度

【ポイント!】

 全ての労働時間制度で実施可能!

 テレワークは、通常の労働時間制度に加え、労働基準法で規定されている全ての労働時間制度(例えば、変形労働時間制やフレックスタイム制など)で実施可能です。

※テレワークを行う場合も、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、労働契約法などの法令が適用されます。


テレワークの対象者の選定

【ポイント!】

 非正規雇用だから対象から外す、はダメ!

 テレワークの対象者を選定する場合に、正規雇用労働者、非正規雇用労働者といった雇用形態の違いのみを理由としてテレワーク対象者から除外するといったことはできません(不合理な待遇差になります)。どうぞご注意ください。


労働時間の把握

【ポイント!】

 原則的にはパソコンの使用時間などで把握、難しいときは自己申告でOK!

 原則的には、パソコンの使用時間の記録やサテライトオフィスへの入退室の記録等の客観的な記録により労働時間を把握することとされています。
 ただし、パソコンの使用時間の記録が労働者の始業及び終業の時刻を反映できないような場合などは、「労働者の自己申告」により労働時間を把握することが認められます(事前に、適正な自己申告を行うことなどについて十分な説明を行っておくことなどが必要とされています)。


中抜け時間について

【ポイント!】

 把握しなくてもOK!取扱いも融通がきく!

 テレワークの場合、中抜け時間(業務中に仕事から離れる時間)が生じることがあります。この中抜け時間については、労働基準法上、使用者は把握することとしても、把握せずに始業及び終業の時刻のみを把握することとしても、いずれでもよいこととされています。

 『テレワーク ガイドライン』では、テレワーク中の中抜け時間を把握する場合には、例えば一日の終業時に、従業員の方からメール・SNS等で報告してもらうといった方法が考えられるとしています。

 また、テレワーク中の中抜け時間の取扱いとしては、
◆中抜け時間を把握する場合◆
 中抜け時間を把握する場合には、休憩時間として取り扱い終業時刻を繰り下げたり、時間単位の年次有給休暇として取り扱う
◆中抜け時間を把握しない場合◆
 中抜け時間を把握しない場合には、始業及び終業の時刻の間の時間について、休憩時間を除き労働時間として取り扱う
ことなどが考えられるとしています。

※これらの中抜け時間の取扱いについては、あらかじめ就業規則等において定めておくことが必要です。


移動時間について

【ポイント!】

 通常は休憩時間扱いできる!

 例えば、午前中のみ自宅やサテライトオフィスでテレワークを行ったのち、午後からオフィスに出勤する場合など、勤務時間の一部についてテレワークを行う場合が考えられます。こうした場合の就業場所間の移動時間について、『テレワーク ガイドライン』では、労働者による自由利用が保障されている場合は、休憩時間として取り扱うことが考えられるとしています。
 一方で、例えば、テレワーク中の社員に対して、使用者が具体的な業務のために急きょオフィスへの出勤を求めた場合など、使用者が社員に対し業務に従事するために必要な就業場所間の移動を命じ、その間の自由利用が保障されていない場合の移動時間は、労働時間に該当するとしています。

※テレワークを行う労働者について労使協定を締結しておけば、休憩時間を一斉に与える必要はありません。


労災について

【ポイント!】

 テレワークも労災の対象!

 テレワークの場合も、事業場における勤務と同様の考え方で労災制度が適用されます。『テレワーク ガイドライン』では、テレワークを行う社員に、この点を十分周知することが望ましいとしています。


【テレワーク ガイドライン の全文はこちら!】

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